白内障手術の多焦点眼内レンズ(遠近両用)について
2015/12/02
手術を選ぶ時代
近年「多焦点眼内レンズ」の登場により、白内障手術もレンズの種類を患者自身が選ぶ時代がやってきました。
白内障の手術を受ける時に「単焦点眼内レンズ」で手術をするか「多焦点眼内レンズ」で手術をするのかを選ぶことができます。しかしこの2つのレンズは見え方も手術にかかる費用も全然違います。よく理解した上で手術を選択することが大事です。
「単焦点眼内レンズ」ってなに?
単焦点眼内レンズとは、ピントが一個だけできるようになっているレンズのことです。
ピントが一個だけなので、手術をする時にその一個のピントをどこに合わせるのかを設定しなくてはいけません。つまり「遠く」か「近く」を選ぶ必要があります。
「遠く」を選択すると近くは見えないので、いわゆる老眼鏡が必要ですし、
「近く」を選択すると遠くは見えないので、いわゆる近眼のメガネが必要になります。
文章で書くとちょっと複雑そうな感じがしますが、実にシンプルなレンズです。
手術の際は保険が適応になるので3割負担で約45,000円程度の自己負担で手術可能です。
「多焦点眼内レンズ」ってなに?
多焦点眼内レンズとは、ピントが眼の中に複数できるようになっているレンズのことです。
つまり眼の中に遠く用のピントと近く用のピントの2つを作るため、どっちも見えるようになります。つまり遠近両用ということです。
「それなら絶対そっちにするよ!」と思った人もいるかもしれませんが、話はそう単純ではありません。多焦点眼内レンズにはデメリットもあります。
例えば費用は保険が効かないので自費で負担をしなくてはならないですし、見え方も「遠くから近くまで全て見える」というわけではなく、あくまでも「遠くと近くが見える」レンズであり、中間部分や20㎝ぐらいの近距離は見えないレンズです。
手術をする際にはよく説明を聞いて、自分に合ったレンズを選択することがとても大事です。
吉田
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