円錐角膜治療 クロスリンキング
2017/05/08
円錐角膜とは?
角膜が前方に突出してくる疾患です。
角膜が前方に突出することにより、近視と乱視が強くなり視力が低下します。
またその際に角膜が歪むので不正乱視を誘発し、メガネや通常のソフトコンタクトレンズでの視力矯正が困難になってきます。
円錐角膜は通常両眼に発症しますが、左右差や、個人差があります。
自覚症状がなく精密検査を受けないと分からない軽度のものから、角膜移植を必要とする重症例まであります。
10~20代ぐらいに発症するケースが多く、その後進行し30~40代ぐらいで進行が停止すると 言われていますが、それ以降も進行し続ける場合もあります。
治療法
従来円錐角膜の治療は眼鏡、コンタクトレンズで視力が出る間は眼鏡、コンタクトレンズでの矯正を行います。
円錐角膜が進行しハードコンタクトレンズが合わなくなったら、特殊なハードコンタクトレンズ(円錐角膜用)を用いて矯正します。
角膜の内側にあるデスメ膜という部分が破裂し「急性水腫」という状態になると、角膜が白濁する場合があります。
この場合だと特殊なハードコンタクトレンズでも矯正視力が出にくくなり、角膜移植という流れしか治療方法はありませんでしたが、角膜クロスリンキングという治療が登場し、角膜移植を回避または先にのばすことが出来るようになりました。
クロスリンキングとは?
クロスリンキングは、角膜に紫外線を当てて、角膜を硬化させることによって円錐角膜の進行を抑え、重症化を防ぐ手術です。
クロスリンキングの効果とは?
角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら紫外線を角膜に照射すると、角膜の大部分を占める実質コラーゲン繊維が架橋(クロスリンキング)されます。これにより角膜の強度が強くなり、今の角膜形状を保持して円錐角膜や角膜拡張症(エクタジア)の進行を抑えることができます。
研究結果に基づき、角膜内皮細胞より眼内の組織にはほとんど影響がない安全な紫外線の強さと照射時間で手術を行います。
円錐角膜は進行性で、時間経過とともに症状が悪化するケースも少なくありません。
特に10代~20代にかけては、症状が強く進行し重症化するケースが見られ、重症化した場合は角膜移植以外の治療方法がなくなることもあります。
進行予防、重症化予防を目的とした手術であり、基本的に視力向上や角膜形状を改善させる効果はありません。
そのため場合によってはフェラーラリングなどの円錐角膜治療と組み合わせて行われることもあります。
近年海外では円錐角膜の進行予防に対して、角膜クロスリンキングを行うのが一般的であり、治療方法として効果を認められています。
当院では2007年から導入し、現在まで約200例以上の症例数があります。(2017年5月現在)
円錐角膜の進行でお悩みの方は一度、当院の角膜専門医へご相談ください。