実は怖い!眼内コンタクトレンズ(ホールICL)の合併症2選
2022/05/22
最近認知度が増えてきた眼内コンタクトレンズ手術(以下ICL)。
レーシック手術は元に戻せないけど、ICLならレンズを抜けば元に戻せる!というメリットがあるので知名度が上がってきているようです。
実はレーシックに無い、ICL特有の合併症があるのは皆様ご存知でしょうか?
①眼圧の上昇
レンズが想定より大きい場合(High Vault)
このようにレンズが眼のスペースよりも大きい為、レンズが虹彩を盛り上げてしまっており、前房水の流出路である隅角が狭くなっています。このスペースがとても狭い場合は房水が眼内に留まり眼圧が上がる閉塞隅角緑内障を発症する恐れがあります。ごく稀に角膜内皮細胞が減少するリスクもあります。(定期的に細胞の検査をする必要があります。)
②白内障のリスク
逆にレンズが小さい場合は水晶体にレンズが触れてしまうと、白内障になる恐れがあります。
ICLにはサイズが数種類あり、患者様の眼の大きさなどに応じて、一番合いそうなサイズを選択しています。
ただあくまで検査結果による予測になるため、以上のように想定よりもレンズサイズが大きい、または小さいというケースが稀にあります。
レンズの位置は徐々に変動し3か月ほどで落ち着きますが、その変化をみるために術後の検診が非常に重要であり、サイズ変更のためレンズ入れ替え手術を行う場合もあります。
(当院は補償制度がございます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
このようにレンズサイズがしっかりfitしているかどうかは前眼部OCT(CASIA)という機械で判断できます。
ICLによる屈折矯正手術を行うクリニックは増加傾向にありますが、南青山アイクリニックをはじめ、前眼部OCTのある施設で受けることを強く推奨します。
レーシックでは強度近視や乱視ですと不適応になる場合があり、一定の割合で近視が少し戻りますが、
ICLでは強度近視や乱視でも幅広く対応し、ほとんど近視の戻りが生じず長期的に安定した視力を維持できます。
今回ご紹介したこのような合併症があればリカバリーもできる良い屈折矯正手術です。
当院の副院長である三木医師は先日、パリで行われたICL Expert Meetingにて、「Toric ICL 500」を受賞しました。 Toric ICL(乱視用ICL)を500症例以上執刀した医師に贈られるものです。
当院は1999年に眼内コンタクトレンズを導入し、毎月約30例のICLの手術を行っています。
これまでに2000例以上の実績があります。