視力回復手術を語る 第1回 光の屈折
2014/08/25
南青山アイクリニック眼科スタッフのHMRと申します。
わたくしは眼科に携わるものとして、眼光学の話題を中心に記事を書き綴っております。
今回のテーマは『視力回復手術』ということで、まずは導入部分からお話させていただきます。
視力回復手術のスタンダードはレーシック
『視力回復手術』
と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか?
もっともメジャーな治療は『レーシック』であることは、今や言うまでもありません。一時期の過剰なレーシック人気は鳴りを潜めましたが、現在でもワールドワイドで年間数十万人もの方がレーシックを受け快適な裸眼生活を営んでいます。
レーシック(LASIK)とはLaser-assisted in Situ Keratomileusisの略称で、かみくだいて説明すると、「角膜にレーザーを照射し、光の曲げる力(屈折力)を変えて近視、遠視、乱視を矯正する手術」です。
光の屈折とは
空気中の光の速さは秒速30万kmで地球を1秒間に7周半できる速さです。これはあくまで空気中の速さであって、光が水中に入ると秒速22.5万kmに落ちます。これは空気と水では屈折率が違うためです。
空気の屈折率 約1.0
水の屈折率 約1.336
角膜の屈折率 約1.3375
ちなみに、ダイヤモンドの屈折率は約2.42とかなり高いので光の全反射が生じやすく、キラキラと輝いてみえます。
光の屈折とは一定の進入角で屈折率の違う物質を通る時に起こる、光が曲がる現象です。
近視、遠視、乱視ってなに?
遠くを見た時、ほぼ平行に光が眼の中に入ってきますが、角膜と水晶体は凸レンズなので、光は集束するように曲がります。
『水晶体』というピントを合わせるレンズが働いていない状態(無調節)で、外から平行に入ってきた光が網膜の中心窩という視力に関わる組織に焦点を結んでいる状態を『正視』と呼びます。これはいわゆる「目が良い」と呼ばれる方で、裸眼視力1.0以上が目安になります。
正視に対して近視、遠視、乱視は網膜に一点に焦点が結ばれていない状態であり、これらは『屈折異常』と呼ばれています。
屈折異常について
本日はここまでとします。次回は『レーシックのしくみ』です。