表参道眼科マニア

南青山アイクリニックが眼科に関するマニアックな話題を中心にお送りいたします

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眼科医と眼科の数は足りているのか?~医療の地域格差について

   

マニアックなことをご紹介するブログということなので、今回もマニアックな話題を。
日本には医師が303268人います(平成24年)。
しかし人口10万人に対して237人という計算で、世界では28位という結果です。
ただし病院の数は人口100万人あたり67施設で世界第1位。
つまり1病院あたりにいる医師の数がとっても少ない国なんです。
そのため医師の仕事が激務になりがち(週70時間労働)で、日本の医師の時給を計算すると、大体3300円ほどだそうで、アメリカと比較すると半分以下という結果です。
もちろん開業医か勤務医や、診療科目などによってかなり違いますので、あくまでも平均でという話です。

さて、ところで日本全国に眼科医はどのぐらいいるかご存知でしょうか?

日本眼科医会が平成22年に発表したデータによると、眼科医会に属している眼科医は13724人だそうで、その内留学中の方などをのぞくと13212人だそうです。日本の人口を1億3000万人とすると1万人あたり1人という計算になります。
(ちなみに全医師数から見ると約5%が眼科医になる計算だそうです。結構多いですね。)

しかし都道府県別に見てみると、東京では1万人に対して眼科医の人数は1.8人(全国1位)で、
一番少ない埼玉県では0.61人です。ただし埼玉県は東京の隣県なので、東京までアクセスの良い市町村によっては数字ほどの格差はないかもしれません。
ワースト2位は青森県で0.67人でした。青森県は本州の端ですから、大都市が近いということもありませんし、決してアクセスが良いとも言えない土地です(筆者は青森県出身です)
ですから青森県の眼科医は、東京の眼科医よりもたくさんの患者さんを診察する必要が出てくるということです。
さらに東京の人口の内、65才以上が占める割合は21.3%ですが、青森県は27.0%です。
やはり高齢者の方が診療を必要とする確率が高いので、数字以上の格差があると思われます。
無題
施設数で見てみると、東京には眼科施設が1121あり、人口1万人あたりの施設数は0.85ですが、青森県には眼科施設が64ほどしかなく、人口1万人あたりの施設数は0.466で、こちらも全国ワースト2位という結果です。(ちなみにワースト1位は栃木県です)
青森県の土地の広さは東京の4倍ほどなんですが…もちろん森や山もあるので何とも言えないですが、一施設あたりがカバーする土地面積がかなり広いです。

日本には国民健康保険があり、日本全国どこでも同じ医療を受けることができる・・・はずなのですが、やはり医療格差はあると言わざるを得ないでしょう。

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