視力回復手術を語る 第15回 いろいろな老眼治療
40歳以上になると老眼が始まり、60歳前後まで近方が見えづらくなっていくため、不自由を感じる方は多いと思います。白内障がある場合は多焦点眼内レンズが選択肢に入りますが、白内障が無い場合に老眼治療を目的に手術をするのは推奨されません。
つまり人間は20年以上も老眼に悩まされることになります。コンタクトレンズや眼鏡の使用が苦でなければ手術の必要はありませんが、裸眼で遠近をみるためにはモノビジョンをはじめいろいろな治療がありますので紹介します。
モノビジョンレーシック
何度も紹介していますが、優位眼を遠くに、非優位眼を近くにあわせてガチャ目をつくることで遠近を見えやすくする方法です。ピントを合わせるので遠近の見やすさは良いですがガチャ目が合わない方もいるため、コンタクトレンズによるシミュレーションが必須です。
アキュフォーカスリング(レーシックカムラ)
小さな穴の開いた黒いリングを角膜に埋め込むことで焦点深度を深くし手元を見やすくする方法です。眼が乾きやすくなり、角膜の細かな傷によって度数が変わるため見え方がシビアです。
レインドロップ
小さく透明なレンズをフラップの下に置くことで、その部分の角膜屈折力が強くなり近方が見やすくなります。アキュフォーカスと同様片目に挿入するもので、モノビジョンの原理を利用しています。
何度も記しますが完全な老眼治療はなくいずれもデメリットがあるため、現在は医師や医療メーカーが創意工夫をしている段階であり、この分野はまだまだ検討、改良の余地がありそうです。
次回は遠近両用(多焦点)眼内レンズについて1つずつ記していきます。
文責H