白内障の検査について。白内障手術に必要な検査項目とは?
2016/03/04
白内障による視力低下を生じた場合、メガネやコンタクトレンズを装用しても視力は上がりません。白内障以前の視力に回復させるためには白内障手術が必要不可欠となります。
白内障手術は、濁った水晶体を取り除いた後に人工の眼内レンズを挿入します。眼は人それぞれ近視、遠視、乱視の強さが違いますので、個々に合ったレンズ度数の選択がたいへん重要となります。
白内障手術における眼内レンズの度数計算に必要な眼のデータと検査項目とは?
眼内レンズ度数計算方式は色々あるので使用するデータも異なりますが、下記の4項目は良く使用されます。
・角膜屈折力
眼の最表面にある角膜のカーブの強さ。オートケラトメータでは角膜前面の屈折力から換算屈折率1.3375を使い角膜全体(前後面)の屈折力を算出している。最近の前眼部OCT(CASIAなど)では角膜後面屈折力を実測できるようになったため、より精度の高い屈折力が算出できると考えられている。
・眼軸長
角膜表面から網膜中心部までの長さ。近視、遠視の度数に大きく関係している。光干渉式眼軸長測定装置のIOLマスターは非接触検査で術者による差異が非常に少なく、信頼性が高い。稀にIOLマスターで測定できない過熟白内障の場合は接触検査の超音波Aモードという検査が必要となるが、術者の技量や患者の固視の良し悪しによってデータの信頼性が変わる。
・前房深度
角膜前面もしくは後面から水晶体前面までの長さ。眼内レンズ度数計算においては多くの場合、角膜前面~水晶体前面までの長さを使用する。前眼部OCTのCASIAなどで精度の高い測定が可能。
・水晶体厚
水晶体の厚み。接触検査の超音波Aモードで測定できる。
眼内レンズ度数計算について
眼内レンズ度数計算式は日進月歩で研究が進んでおり、精度の高い計算式が確立されつつありますが、いまだに完璧なものは存在せず、矯正誤差を生じる可能性はあります。
特に裸眼視力が重要な多焦点眼内レンズによる白内障手術では、矯正誤差がQuality Of Visionの低下に大きく影響します。万が一、矯正誤差による視力低下を生じた場合、南青山アイクリニックではレーシック(LASIK)によるタッチアップ(度数調整)を行っております。
今後も南青山アイクリニックでは患者さまの希望に最大限応えられるよう、検査の正確性、度数計算の精度向上に努めていきます。
久松
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