白内障手術の眼内レンズ選択について
白内障と診断され、手術を考えたときの悩みの1つとして眼内レンズの種類の選択があります。
眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。今回は「多焦点眼内レンズ」について詳しく説明します。
多焦点眼内レンズは、遠くと近くにピントが合うように設計されている遠近両用のレンズです。そのため眼鏡をかける機会を減らすことができ、老眼症状を改善できるメリットがあります。
多焦点レンズにもいくつか種類があります。
当院では
①先進医療マルチフォーカル(2焦点)レンズ
②マルチフォーカルレンズ(2焦点、自費)
③トリフォーカルレンズ(3焦点、自費)
3種類のレンズを使用しています。同じ多焦点レンズでもそれぞれレンズの特性が少しずつ違うため、度数や乱視の有無、見たい距離などによってお勧めするレンズも変わってきます。
最近当院で増えてきているのが、トリフォーカル(3焦点)レンズです。
今までの多焦点レンズは2焦点のみでした。遠くと近くはピントが合うが中間距離(パソコンや料理をするときの距離)にはピントが合わないため、生活スタイルや趣味によっては中間距離が見づらいことに不便を感じる方もいらっしゃいます。
トリフォーカルレンズは、遠・中・近と広い範囲にピントが合うため眼鏡をかける機会がより少なくなります。新しいレンズなので症例数はまだ他に比べ多くはありませんが、術後のデータも良好で、手術された方からも見やすいと好評のようです。
一言で白内障手術といっても眼内レンズも費用も様々で、それぞれメリットデメリットがあります。ご自身のライフスタイルにあった眼内レンズの選択と、その眼内レンズの適応検査や詳しい説明を受け、最適なレンズを理解することが大切です。