新しいドライアイ治療 IPL
2021/08/29
『ドライアイ』という言葉を今まで聞いたことの無い人はいないでしょう。
これは慶應義塾大学眼科の名誉教授の坪田一男医師が1985年にハーバード大学に
留学し日本に持ち帰って広めた言葉です。
それまで日本では『乾き目』、もっと専門的にいえば『眼乾燥症』とか『角結膜乾燥症候群』などと言われていました。
コンタクトレンズの影響、パソコンやスマホの普及もあって、今やドライアイ人口は今や国民病のひとつといえます。
眼科ではドライアイ用の目薬による点眼、涙の流れる出口に栓をすることで涙液を眼表面に留めておく涙点プラグという治療が一般的です。これら従来の治療は涙液の中の漿液層へのアプローチで、最近は涙液層の表面を覆う油層の重要性がわかってきました。
油層の役割とは?
今までの油層のはたらきとして涙液の蒸発を防ぐ役割が謳われていましたが、それ以外にも様々なはたらきがあること報告されています。
油層のはたらき
• 涙を安定させる。
• 涙液の表面張力を下げる
• 涙液の眼表面への広がるのを助ける
• 涙液の過剰な蒸発を防ぐ
• 涙液を瞼縁に留める
この油層はまぶたの上下縁に20~30個あるマイボーム腺という腺から産出されますが、なんらかの原因でマイボーム腺が梗塞するとマイボーム腺機能不全を起こし、その結果涙液の油層がうまく形成されずにドライアイを引き起こします。
マイボーム腺の機能低下が続くとマイボーム腺の脱落が引き起こされ、一度脱落してしまうと治療をしても回復が難しいのが現状です。
マイボーム腺の詰まりの原因
• 加齢による新陳代謝の低下→角化物の蓄積
• 加齢による腺組織の萎縮
• 細菌感染による慢性炎症
• アイメイク製品がつまる、炎症を起こす。
• アイライン
• マスカラ
• エクステや睫毛パーマの溶液
マイボーム腺梗塞に対する治療
マイボーム腺を詰まらせないようにしてドライアイを防ぐためには、日常のケアが大変重要です。
日頃から行えるケアとして最近注目を浴びているリッドハイジーンという概念があります。
これは体や顔を洗うのと同様に、まつ毛の根元も洗浄して清潔に保とう、というものです。
商品としてはアイシャンプーが有名です。
ただ、一度詰まってしまったマイボーム腺を日常のケアで除去するのは難しいので、当院ではマイボーム腺機能不全に対する新しい治療 IPLをおこなっています。
IPLドライアイ治療とは?
IPLはドライアイを治療するための専門機器です。
治療は「コールドライト」と呼ばれる特殊なフラッシュを照射することにより
マイボーム腺を刺激しドライアイ症状の解消を促します。
この治療法は大きな外的ダメージが無く、眼に害を与えることはありません。
(フラッシュの照射時に若干の痛みを生じる可能性があります。)
○推奨治療スケジュール
3~4週間おきに4回程度
○治療の方法
Ⅰ.治療前
・メイクや基礎化粧品をすべて落としてください。
・眼の周りに毛が生えている場合は剃ってください。
毛に反応して痛みを伴う可能性があります。
Ⅱ.治療のながれ
・1回の治療時間:約10分
・専用のアイマスクをつけて、顔に密着させます。
・下まぶたの下部(頬の上部)に水溶性ジェルを塗ります。
・内眼角から外眼角へと7-9回フラッシュします。
・反対側の眼も同様にフラッシュします。
・ジェルを拭き取り、眼の周りを洗浄して終了します。
Ⅲ.治療後
・処置を受けた場所に、一連の治療期間中、他の治療を一切行わないでください
・紫外線に当たるときはフラッシュした場所に日焼け止めクリームを塗ってください。
・一般的な眼科検診は受けていただいて構いません。
○料金
・初回のみ 20,000円(初診料、適応検査5,000円+施術料15,000円)
・1回(2回目以降) 15,000円
・4回セット価格40,000円(半年以内に4回消化)
興味がある方はお電話(03-5772-1451)でお問い合わせください。