【ドライアイの治療】IPLについて
2021/03/18
今回はドライアイの治療についてお話しをさせていただきます。
ドライアイは『様々な原因によって涙の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の異常を伴うことがある』と定義されています(ドライアイ研究会、2016年)。
その診断は、自覚症状に加えて、検査で涙が不安定であることで確定されます。
現在日本のドライアイ人口は2000万人を超えるともいわれており、非常に頻度の高い疾患です。
南青山アイクリニックでは国内で行えるほとんどのドライアイの治療が可能です。
当院ではドライアイへの治療はIPL治療を推奨しております。
IPL (Intense Pulsed Light)とは?
IPLは色素に反応する光で、長年皮膚科領域でニキビ、血管拡張、色素母斑、多毛などに広く使用されており、2003年眼科医のDr. Toyos が、IPLを行った皮膚疾患患者で、ドライアイ症状(マイボーム腺機能)が改善したと初めての症例を報告してから、眼科領域での応用が注目されるようになりました。
特殊な光を眼の下の皮膚に照射することによって、マイボーム腺を刺激して油の分泌を促すとともに炎症を抑えて、ドライアイ症状の改善が期待できます。
マイボーム線とは
眼の健康に「涙」は欠かせません。涙の大部分は水分(水層)ですが、その水分を蒸発しないように、外側に1層の薄い油の層(油層)がのっています。
この油を分泌しているのがまぶたの中にあるマイボーム腺であり、上下の瞼に約30個存在しています。
(出典:LIME研究会)
マイボーム腺がなんらかの原因(加齢、化粧、コンタクトレンズの使用、感染など)によって、障害されたり、入り口(眼瞼の縁)が詰まったりした状態を「マイボーム腺機能不全(MGD)」 と言います。
MGDはドライアイの主要な原因のひとつであり、ドライアイの原因の86%がこのマイボーム腺機能不全であるという報告がなされています
マイボーム腺から分泌される油脂の量が低下することで、涙液油層の機能(涙の蒸発抑制、水層を眼表面に円滑広げる)が低下し、ドライアイの症状が現れます。
MGDの自覚症状
症状は多岐に渡り、IPL治療によってこのような症状の改善が期待できます。
・眼がごろごろする。目脂(めやに)が出ている感じがする。(眼異物感)
・まぶたが熱い。(眼灼熱感)
・眼が乾く。
・眼が痛い。(眼痛)
・眼が疲れる。(眼精疲労)
・眼が不快である、常に眼が気になる。(眼不快感)
・涙が出る。(流涙感)
・瞼が赤い、違和感がある。
など
推奨治療スケジュール
治療間隔は、3~4週間おきに4回以上実施すると効果が高いというエビデンスがありますが、重症度と罹患+疾患によって異なります。
治療の方法
①治療前
・メイクや基礎化粧品をすべて落としてください。
・眼の周りに毛が生えている場合は剃ってください。毛に反応して痛みを伴う可能性があります。
②治療のながれ
・1回の治療時間:約10分
・専用のアイマスクをつけて、顔に密着させます。
・下まぶたの下部(頬の上部)に水溶性ジェルを塗ります。
・こめかみに近い下瞼より鼻側に向かって左右に流れるように約13回照射を2回行います。
・反対側の眼も同様にフラッシュします。
・ジェルを拭き取り、眼の周りを洗浄し日焼け止めを塗って終了します。
③治療後
・処置を受けた場所に、一連の治療期間中、他の治療を一切行わないでください
・紫外線に当たるときはフラッシュした場所に日焼け止めクリームを塗ってください。
・一般的な眼科検診は受けていただいて構いません。
料金
・初回のみ 20,000円(初診料、適応検査5,000円+施術料15,000円)
・1回(2回目以降) 15,000円
・4回セット価格 40,000円(半年以内に4回消化)
眼の状態によっては不適応の場合もあります。
ご興味がある方はお電話(03-5772-1451)でお問い合わせください。