視力回復手術を語る 第6回 レーシックvsホールICL ① iclのデメリットとは?
2015/08/21
ホールICLは、フェイキックIOLのデメリットのひとつであった虹彩切開が不要であるため、「レーシックができないから仕方なく」ということではなく、「レーシックに並ぶ視力回復手術になった」といえるかもしれません。ただし安全性は高いといっても手術ですから、合併症が生じるリスクは常に起こり得ます。利点欠点含め、あらゆる観点からレーシックと比較してみましょう。
治療部位の違い
第一に、治療する部位が異なります。
レーシックは『外眼部』と呼ばれる眼の表面の手術であるのに対し、ホールICLは眼の内側『内眼部』手術です。内眼部手術でもっとも行われているのは白内障手術ですが、合併症のひとつに『眼内炎』という感染症があります。
もちろん外眼部手術でも感染は怖いのですが、内眼部感染の眼内炎を生じると中々治りにくいとされています。白内障手術の場合、0.05%の確率で眼内炎が生じるといわれていますが、ホールICLも同じくらいの確率はあるのではないでしょうか。
感染症は病院関係者でもこわい
感染症といえば数年前に銀座眼科の医師がレーシックによる感染者を生みだしてしまった事件は有名でしょう。これはレーシックが簡単な治療であると考えていた執刀医に重大な過失があります。レーシックにしろホールICLにしろ成功率の高い手術ではありますが、眼鏡やコンタクトレンズなどの代替手段があるため、必ずしないといけないものではありません。治療をする病院側は患者様に対し感染症などの重篤な合併症を生じさせないよう、細心の注意を払わなければならないのです。
医療に限ったことではありませんが、費用が安い所は必ずそれなりの理由があります。治療を受ける側も自分の眼の状態を知り、治療について積極的な気持ちで疑問、関心を抱くことが重要かと思います。
今後も良い面だけでなく、メリットデメリットを正直にお話ししていく予定です。