表参道眼科マニア

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オルソケラトロジーは強度近視でも使用可能?近視の強さと矯正限界について

      2016/05/27

視力とオルソケラトロジーの適応

「私視力が0.1なんですけど、オルソケラトロジーできますか?」という質問をよく受けます。「視力0.1」というのは視力検査をするときに見ている視力表の一番大きな輪の切れ目がギリギリみえるレベルです。
たしかに視力0.1というのはお世辞にも良好な視力ではありません。分類としては一般的に目が悪い方だと思います。
さて、「視力0.1の人はオルソケラトロジーで視力の改善が可能か?」に関してですが、これは「検査をしてみないと全然分からない」と答えざるを得ません。
実はそもそも適応基準に裸眼視力の数値は関係ないのです。
ですから視力が0.3だろうが0.1だろうそれ以下だろうが、適応かもしれないし不適応かもしれないのです。

 

近視が強いってどういうこと?

「近視=目が悪い」のは間違いないですが、近視が強いとか弱いというのはどういうことでしょうか?
そもそも近視の強さは視力ではなくて、「度数」で表記されます。
網膜にピッタリピントが合っている状態(正視といいます)を基準の「0」として、網膜よりも手前側にピントがずれていたら近視として「-(マイナス)」で表し、逆に網膜よりも後ろ側にピントがずれていたら遠視として「+(プラス)」で表します。単位は「D(ジオプター)」という単位で表します。
近視-3.00D未満を軽度近視とし、-3.00~-6.00D未満を中等度-6.00D以上を強度近視と分類します。
ちなみに使い捨てのコンタクトレンズを使用している人は、パッケージを見てください。必ずどこかに度数が記載してあります。

 

視力と度数の関係は?

近視の度数が強くなればなるほど網膜からピントが離れていくので、視力は悪くなりますが、「見え方」や「網膜の状態」、もっと言えば「その時の体調」も人それぞれ違うので、同じ近視の度数だったとしても同じ視力にはなりませんし、右目と左目の近視の度数が同じでも視力に差があることだってあります。
ただし、一般的に「強度近視」に分類されてしまうような近視の人は、網膜に投影される像がかなりボヤけているので、個人差があると言えども視力0.1未満であることがほとんどです。

 

強度近視はオルソケラトロジーができる?

オルソケラトロジーはどんな人でも可能なのか?強度近視でも矯正可能か否かですが、
残念ながら多くの場合強度近視に対してオルソケラトロジーは不適応になります。
オルソケラトロジーは角膜の形状を、特殊なコンタクトレンズによって変形させることによって近視を矯正するレンズです。近視の度数が強ければ強いほど大きく形を変形させないといけません。
しかし、いくら強く角膜を変形させようとしても、角膜が変形できる限界があるので、ある程度以上の近視を矯正することは困難です。
また、大きく角膜を変形させることによって、角膜に歪み(収差)が強く生じてしまい、夜間の見え方が著しく低下したり、矯正視力が低下したりすることもあります。
そのため、いわゆる強度近視と言われるような強い近視の度数の方には、あまり向いていません。ただしオルソケラトロジーは使用を中止すれば必ず元に戻るので、どの程度視力矯正が可能かをダメ元で試してみるのも一つの手です。中には視力が0.6ぐらいでも十分満足できる場合もあるので、興味があれば一度試してみると良いと思います。

吉田

 

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