多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズ

MULTIFOCAL 多焦点眼内レンズとは

白内障の手術は、白内障により濁ってしまった目の中でレンズの役割をしている水晶体を取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を入れていきます。白内障手術には、保険診療で行えるものと保険診療で行えないものがあり、保険診療で行う場合、単焦点眼内レンズを使用します。
単焦点眼内レンズは、ピント調節が限定されてしまうため、ピント調節の難しい距離を見る際は眼鏡を使用する必要があります。
一方、多焦点眼内レンズは、保険診療が適用されず、現在の医療制度では選定療養および自由診療となります。レンズの特徴としては、ピント調節の幅が広いというメリットがあり、眼鏡を使用する必要がない、または使用頻度を減らすことができるという点が挙げられます。
遠近両用眼鏡と同じような役割を果たすことができ、近距離・中距離・遠距離とピントの焦点を複数に合わせることが可能です。ピントを合わせる距離に関しては患者様の生活スタイルに合わせ、選択することをお勧めします。

FEATURE多焦点眼内レンズの特徴

多焦点眼内レンズのメリットとして、眼鏡を使用することなく広範囲を見ることができます。デメリットとして、コントラスト感度が曖昧である、夜間になると光がぼやけているような見え方になり、違和感を覚えることがあります。当院で患者様にレンズをお選びいただく際は、十分にレンズの特色をご理解いただけるように説明させていただいています。ご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。

多焦点眼内レンズが適している方

  • 白内障以外の目の疾患がない方
  • できるだけ眼鏡を使用せずに生活したい方
  • 術後の見え方を十分にご理解いただいている方

多焦点眼内レンズが適していない方

  • 瞳孔径が小さい方
  • 白内障以外の眼疾患をお持ちで、医師が不適当と判断した方
  • 夜間の運転、手元を見ることが多い仕事に就いている方
  • 細かいことを気にしやすい神経質な方
  • 多焦点眼内レンズのデメリットをご理解いただけない方

LENS

自由診療の多焦点眼内レンズ

Hanita Lenses社:5焦点 
INTENSITY(インテンシティ)

5つの焦点にピントを調節することができる、2020年にイスラエルのHanita Lenses社が開発した多焦点眼内レンズです。このレンズの特徴は、遠方・遠中・中間距離・中近・近方の5つの距離に焦点を持つことが可能で、遠方から40cmまで視力の落ち込みがないことです。また、回折型のデメリットであるハローやグレアの現象を最低限に抑えることも特徴です。鮮明な視界を得ることができるため、光エネルギーの損が0.5%と最小に抑えられます。以上のようなメリットがあるため、日常生活を送る上で幅広いシーンに対応することができる多焦点眼内レンズであるといえます。

インテンシティ

BVI社:3焦点
FINE VISION(ファインビジョン)

遠方・中間距離・近方の3点に焦点を合わせることができる、ベルギーの眼内レンズメーカーのPhysiOL社が開発した多焦点眼内レンズです。PhysIOL社が開発し、現在はBVI社が販売している。
遠方・近方、遠方・中間距離の2種類のレンズを1枚のレンズにまとめることで、アポダイズド回折型と呼ばれる周辺部・中央部それぞれで異なる機能を備えて設計されたものです。遠方・中間距離・近方をしっかり見ることができるため、自動車の運転・スポーツ・パソコン作業・テレビの視聴・読書など幅広い距離に対応できます。そのため、従来のレンズの中でも裸眼で過ごすことができる時間が最も長く、更にブルーライトカット加工、ハローやグレア現象である暗い場所での光の輪・にじみを抑制することが可能であるため、アポダイズド回折型は10年以上のロングセラーとなり、愛用者の多いレンズとなっています。

finevision

SIFI-Medtech社:連続焦点
MINI WELL READY IOL(ミニウェルレディ)

従来の多焦点眼内レンズは屈折型と回折型の2種類でしたが、プログレッシブ眼内レンズに分類される球面収差の仕組みを基に、レンズ表面の曲がりを調整したものがイタリアのSIFI MedTech社が開発したものになります。
ハローやグレアなどの現象が問題となる他の多焦点眼内レンズの設計方法とは異なり、遠方から中間距離まで焦点をスムーズに合わせることができます。デメリットとして、近方への焦点が合わせづらいところがあります。比較的アクティブに活動する方で、老眼鏡をかけることに躊躇することなく、自動車の運転・スポーツなどで遠方に焦点をあてることやテレビ・パソコンで中間距離に焦点を必要とする方に向いているレンズであるといえます。更に、乱視矯正も可能なため乱視でお困りの方も安心して選ぶことができます。

miniwell

LENS

選定療養の多焦点眼内レンズ

Alcon社:3焦点
Clareon® PanOptix® Trifocal(パンオプティックス)

アルコン社より2019年発売された3焦点の多焦点眼内レンズであり、遠距離から近距離まで幅広くピントを合わせることが可能です。
同社のReSTORレンズでは、薄暗い場所での中距離から近距離の作業は難しかったものの、パンオプティクスでは大幅に改良されています。また、非球面レンズのボケ軽減・薄黄色に着色した網膜保護機能や、ハロー・グレア現象を抑制する機能は従来通り兼ね備えています。

PanOptix

HOYA社:3焦点
Vivinex Gemetric(ビビネックスジェメトリック/プラス)

Vivinex Gemetricは国内企業であるHOYA社が製造している非球面・回析型3焦点眼内レンズです。
このレンズは、中間距離と近距離の視力を確保しながら、遠方視力を損なわない光配分デザインが特徴です。不快な光視現象を低減することが期待されます。乱視の矯正も可能です。

ビビネックスジェメトリック

Alcon社:連続焦点
Clareon® Vivity®(ビビティ)

Alcon独自のX-WAVE™テクノロジー(波面制御技術)により、遠方から実用的な近方距離まで、滑らかで連続した見え方を実現します。
不快な光視現象を低減することが期待されます。乱視の矯正も可能です。

ビビティ

Add-onAdd-on 眼内レンズ

AddOn眼内レンズは、すでに白内障手術が済んでおり、眼内レンズが入った眼に対してもう一枚重ねて入れるレンズです。単焦点眼内レンズが入っている眼に対して多焦点のAddOn眼内レンズを入れることが可能です。これによって、眼鏡やコンタクトレンズなしで遠方も近方もある程度見ることが可能になります。

1stQ社 AddOn眼内レンズ

AddOn眼内レンズを固定する4つの支持部が特徴的な形状をしており、毛様溝のサイズに柔軟に対応して固定されます。 毛様体の大きさが変化しても、ずれたり回転しにくい構造をしています。

AddOn眼内レンズ

Addonレンズの手術方法

日帰り手術で、所要時間は10~15分です。

Addonレンズの手術方法

※特注レンズ使用の場合は、片眼100,000円追加料金がかかります。

COSTSレンズ比較表

レンズ名

インテンシティ

ファインビジョン

ミニウェル

パンオプティクス

ビビネックスジェメトリック/プラス

ビビティ

多焦点
眼内レンズ
インテンシティ ファインビジョン ミニウェル パンオプティクス ビビネックスジェメトリック ビビティ
ピントの数 5焦点 3焦点 累進焦点(2焦点) 3焦点 3焦点 累進焦点(2焦点)
焦点距離

遠・遠中・中・
中近・近

遠・中・近 遠~中または中~近 遠・中・近 遠・中・近 遠~中または中~近
乱視矯正 ×
グレア・ハロー ある ややある かなり少ない ややある ややある かなり少ない
医療費 自費診療 自費診療 自費診療 選定療養 選定療養 選定療養

Advanced Medical Care under Health Insurance選定療養とは

選定療養とは?

白内障手術自体は通常の単焦点眼内レンズと変わらず保険適応になり、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用についてのみ、追加費用を負担することで、保険適応の治療と保険適応外の治療を併せて受けることができる制度です。

選定療養では白内障手術自体は通常の単焦点眼内レンズと変わらず保険適応になり、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用についてのみ、自費で追加費用をお支払いいただくことで手術を受けられるようになります。

眼内レンズの種類によって費用が異なります。

※今までの「先進医療」という制度では、多焦点眼内レンズの費用以外の部分である、白内障の手術自体も保険適応外となり、全額自費となっていました。

※生命保険の先進医療特約の対象にはなりません。

※健康保険の負担割合によって費用が異なります。

COSTS費用

選定療養

3焦点(パンオプティクス・ビビネックスジェメトリック)・連続焦点(ビビティ)
380,000円(税込)

自由診療

連続焦点
ミニウェルレディ
3焦点
ファインビジョン
5焦点
インテンシティ
550,000円(税込) 670,000円(税込) 770,000円(税込)
Add-on 眼内レンズ※白内障手術後の遠近両用レンズ
470,000円(税込)

※特注レンズ使用の場合は、片眼100,000円追加料金がかかります。

健康保険負担割合の約20,000円(1割)又は約55,000円(3割)追加で費用がかかります。

※上記全て片眼の料金です。

※手術前、手術後の診療・検査・薬代は、原則保険診療となります。

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