ABOUTドライアイとは?
ドライアイとは、「様々な原因によって涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の異常を伴うことがある」と定義されています(ドライアイ研究会、2016年)。その診断は、自覚症状に加えて、検査で涙が不安定であることで確定されます。
症状
ドライアイの自覚症状は多様で、感じ方や程度には大きな個人差があります。
乾いた感じがする、目が疲れる、ゴロゴロする、目が重い、目がしみる、ヒリヒリするなどのほか、充血する、涙や目やにが多く出る、光がまぶしい、視力は良いのに何となく見づらいなど、様々な症状があります。
治療
涙と浸透圧を同じにした、生理食塩水タイプの点眼薬、ヒアルロン酸入りの点眼薬、マイボーム腺の治療、涙点プラグ挿入、ご自身の血液から作製する血清点眼などがあります。
CAUSEドライアイの原因
ドライアイの原因は複合的と考えられています。特に最近増えているのがパソコンやテレビ、携帯電話などの画面を見続ける生活により、まばたきが減り涙が蒸発しやすくなっったり、コンタクトレンズの長時間・長期間使用により、目の表面が傷んで涙の安定性が損なわれることなどが原因と考えられます。
また最近では、涙の蒸発を防ぐための油分を分泌する腺(マイボーム腺)の異常が大きな原因の1つとなっていることが注目されています。
さらに、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患や、スティーブンスジョンソン症候群などの病気により涙腺が壊れて涙がほとんどでない重篤なドライアイもあります。
CLASSIFICATIONドライアイの分類
ドライアイには涙の分泌量が不足する「涙液減少型」と、涙が過剰に蒸発してしまう「涙液蒸発亢進型」の2つの種類があります。その内の80%を「涙液蒸発亢進型」が占めます。
MGD「涙液蒸発亢進型」の原因、
マイボーム腺機能不全(MGD)とは?
まぶたの裏側にはマイボーム腺という器官があり、涙の油分を分泌しています。このマイボーム腺の出口(まつげの生え際にある開口部)が細菌感染などによってつまると、涙の中の油分のバランスがくずれて、目が乾きやすくなったり、涙目になったり、炎症が起きたりします。
これをマイボーム腺機能不全(MGD)といいます。
詳しくは⇒ MGDとは? マイボーム腺の治療 (pdf約816KB)
人工涙液や抗生物質の点眼、軟膏の使用、抗生物質の内服、オメガ3脂肪酸摂取、アイシャンプー等による瞼の洗浄、ホットアイマスクによる温め療法や、治療として、 温熱マッサージ機器(Lipiflow)、IPL光治療などがあります。慢性疾患なので地道な毎日のケアが大切です。
南青山アイクリニックでは国内で行えるほとんどの治療が可能です。
INFORMATIONドライアイの情報
眼科専門誌The Ocular Surface(2017年9月発行)に掲載されたThe top 100 papers in dry eye(ドライアイtop100論文)にて戸田郁子院長が、世界のドライアイ論文引用ランキングの1位と4位となりました。
概要
ドイツのマークシャーガス博士が、眼科専門誌The Ocular Surface(2017年9月発行)にて1900年から2016年9月までに発表された世界中のドライアイ論文3,823本の中で、どの論文が沢山引用されているか調べた結果を論文として発表しました。
そのうち引用が多かった論文は1983年から2011年に発表された論文で、発表された論文の55%がアメリカから、18%が日本から発表されていました。
Country | No. of Articles |
---|---|
U.S. | 55 |
Japan | 18 |
France | 5 |
U.K. | 5 |
Multinational | 4S |
これらのなかで、沢山引用された論文のfirst authors(筆頭執筆者)について調べた結果です。
- 引用された論文(戸田 郁子)
- Toda et al. Dry eye after LASIK. AJO 2001
- Toda et al. Ocular fatigue is the major symptom of dry eye. Acta Ophthalmol 1993
Frequent First Authors | No. of Articles |
---|---|
Begley, CG | 4 |
Mathers, WD | 3 |
Shimazaki, J | 3 |
Baudouin, C | 2 |
De Paiva, CS | 2 |
Nichols, KK | 2 |
Schiffman, RM | 2 |
Schaumberg, DA | 2 |
Toda, I | 2 |
原著:The top 100 papers in dry eye - A bibliometric analysis(Marc Schargus)(PDF1.0MB)はこちら
南青山アイクリニックはドライアイ専門外来を開設しており、軽度から重症のシェーグレン症候群(難病指定53)まで幅広い患者様の治療を行っております。
当院では日本で行えるほとんどのドライアイ治療が可能です。最近ではMGD(マイボーム腺梗塞)型のドライアイ治療IPL光治療を積極的に行っておりますのでドライアイでお困りの方はお問い合わせください。
IPLマイボーム腺機能不全(MGD)に対する治療
新しいドライアイ治療【ルミナスM22 IPLシステム】による
マイボーム腺機能不全(MGD)に対する治療
マイボーム腺機能不全ドライアイ(以下MGD)は、世界中でドライアイの主な原因であると認められています。 さまざまな原因によりマイボーム腺開口部は委縮し、組織構造の変化が起きるとドライアイを引き起こし異物感、眼の疲れ、流涙、持続的な感染、麦粒腫(ものもらい)、結膜への二次感染、 霰粒腫などの原因になります。
南青山アイクリニックでは、MGDの治療効果に期待できるといわれているルミナスM22 IPLシステムを導入しました。 2002年にToyosらによる研究において、ドライアイの患者に対しIPL治療をおこなったところ、 涙液層破壊時間とシルマー試験において大幅な改善を認めた、と報告があります。
※マイボーム腺機能不全型ドライアイ(MGD)に対しては、一定水準の効果が期待される治療です。 ただし、マイボーム腺機能不全以外の症状(水/ムチン層のみの問題、または事前に治療を必要と する二次感染に関連した症状)については、この効果は不明です。
TREATMENT治療の詳細
治療は「IPL」と呼ばれる特殊なフラッシュを照射することにより、マイボーム腺を刺激しドライアイ症状の 解消を促します。 この治療法は外的ダメージがなく、かつ痛みもなく、眼球に害を与えることは一切ありません。
治療の前に
- メイクや基礎化粧品をすべて落とします。
- 眼の周りに毛が生えている場合は剃ります。毛に反応して痛みを伴う可能性があります。
治療の流れ
1回の治療時間:約10分
- 専用のアイマスクをつけて、顔に密着させます。
- 下まぶたの下部(頬の上部)に水溶性ジェルを塗ります。
- 内眼角から外眼角、鼻へと数回フラッシュします。
- 反対側の眼も同様にフラッシュします。
- ジェルを拭き取り、眼の周りを洗浄して終了します。
治療後
- 処置を受けた場所には、一連の治療期間中、他の治療を行わないでください。
- 紫外線に当たるときはフラッシュした場所に日焼け止めクリームを塗ってください。
- 一般的な眼科検診は受けていただいて構いません。
NOTES注意事項
- 施術時にアイマスクを提供します。治療を受ける方の眼球の保護用に設計されています。
- フラッシュを行う場所にホクロがあるときは、必ず事前に覆う必要があります。これはパッチシールを使って カバーします。
- 治療後15日間、紫外線(自然か人工かを問わず)に当たるときは、治療を受けた場所に必ず 日焼け止めクリームを塗ってください。
- 治療後、短期間赤みを帯びることがあります。これは正常な術後現象で、2~3時間以内に戻ります。
- 場合によっては、浅達性熱傷による、はっきりした赤みが見られることがあります。
ルミナスM22 治療費用
両眼 | |
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1回 | 15,000円(税込) |
4回セット | 40,000円(税込) |
初回は検査費用5,000円がかかります。
MGDMGD・ドライアイ集中治療
ルミナスM22IPL光治療4回+Lipi Flow治療両眼1回をセットで60,000円でご案内いたします。
初回は検査費用5,000円がかかります。